前回FreeStyleリブレ装着までを書きました。その後リーダー、スマートフォンでこつこつ測定して2週間たちました。リーダー、スマートフォン、パソコンでできること、得られるデータのまとめなど紹介します。
リーダー、スマートフォンでこつこつ測定しよう
前回紹介したように、本体には8時間分のデータしか保存されません。よって8時間以内に次の測定をしないとデータとしては空白時間が出来てしまいます。私は①起床時、②昼、③夕食前、④就寝時に測定をしようと気をつけてはいましたが、起床時の測定を忘れたり、昼の測定を忘れたり、休日は朝遅く起きて8時間以上空いたりとやはり空白時間が出来てしまいました。完璧なデータ収集は難しいですが、もともと1日2回または3回しかみていなかったのですから、これだけでもかなりのデータ量だと思います。何事も100点を目指す必要はなく80点くらいでよいと考えましょう(80点でも高い?)。1日2回の自己血糖測定をしていた方は①起床時、②朝食前(元々の時間)、③夕食前(元々の時間)、④就寝前の4点で十分かもしれません。針を刺さずにグルコース値が測れるので、気になったところでいつでも測れます。測定回数が増えると、より血糖値を気をつけるようになり、これだけでも治療効果がありそうです。また、今までわからなかった低血糖や変動の大きい時間帯、血糖値が高い時間帯を知ることでインスリン量の調整に役立ちます。
リーダーでわかるデータ
リーダーでは無線でグルコース値を測定できるだけでなく、指先穿刺による血糖測定も可能です。リーダーによる測定値が極端に高かったり、低かったりしたときには併用してみましょう。下にリーダーで見ることができるデータを示します。①リーダーの履歴を見るをタップすると②⑤の画面になります。ここでは履歴:実際に測定した値の履歴、日内グラフ、平均グルコース値、日内パターン、目標範囲内であった時間、低グルコースイベント、センサー使用量状況が確認出来ます。項目によっては5日以上のデータが必要になります。③日内グラフではそれぞれの1日の経過を見ることが出来ます。この6月3日のデータは山が2つあります。朝の時間に山がありませんね。わかりますか?そうです、朝ごはん抜きにしてみた日のデータです。また、グラフが途切れていますね。昼に測定忘れたため空白時間ができてしまいました。ドンマイです!このグルコース値の変動が気軽にみれるのですから素晴らしいです。ちなみに食後もグルコース値200mg/dLを超えていませんので糖尿病ではなさそうです。④平均グルコース値は14日間の各時間帯の平均値を見ることが出来ます。⑥日内パターンでは14日間のグルコース値のばらつきを見ることが出来ます。黒の線が14日間の中央値で、青い範囲はばらつきを示しています。朝、昼よりも夜から就寝前のばらつきが大きいことがわかります。夕食の時間が一定でなかったり、夕食の内容や、その後の飲酒・おやつによるものと思われます。⑦目標範囲内であった時間では設定した範囲にどれだけ入っているかがわかります。今回は目標を70-180mg/dLに設定しています。目標以下もありますね。⑧低グルコースイベントでは70mg/dLを下回った回数が示されます。低グルコースになったら教えてくれるわけではありません。あくまで読み取った時にわかります。インスリン量調整には有意義なデータですね。⑨センサー使用量状況では期間内にどれだけ測定したか、どれだけのデータが得られたかが示されています。1日4回と回数はまずまずですが、測定忘れもありました。93%のデータが得られたとのことですので、【よく頑張りました】を与えましょう。
スマートフォンでわかるデータ
当然指先穿刺の血糖値は見れませんが、基本的にリーダーと同様のことが出来ます。しかし、前回書いたように、スマートフォンの読取りではリーダーより5~15程度高く出ました。また、NFCでの読取りがうまく出来ないこともありましたが、その場合は前の画面に戻って何回かやり直すとうまく出来ました。リーダーとスマートフォンで測定する場合の注意点としてはあくまでリーダーはリーダー、スマートフォンはスマートフォンでデータを管理しているということです。就寝前にリーダーで読取り、起床時にスマートフォンで読み取っても、連続したデータにならないので注意してくださいね。②日内パターンでは黒い線が14日間の中央値で、濃い青色の範囲が測定値の25~75パーセンタイル値、薄い青色の範囲は測定値の10~90パーセンタイル値を示しています。リーダーより詳細表示となっています。やはり夜から就寝前のばらつきが大きいのがわかります。③目標範囲内であった時間はリーダーと同じですが、測定値がリーダーより高めになるため、70未満が0%となっています。スマホでは数字で表示され見やすいです。④低グルコースイベントもリーダーより減っています。⑤平均グルコース値も3時間刻みでスマホの方が詳細表示となっています。⑥日内グラフは1日の測定値を見ることが出来ます。5月28日は3食食べたので3つの山がみられます。⑦は朝食を抜いた日です。食後がちょっと高いですね、、、。⑧推定A1c値も表示されます(あくまで目安です)。5.3%とまずまずです。⑨はリーダーと同じです。また、リーダー、スマホともに測定アラームを設定することも出来ます。状況に応じて使いましょう。
パソコンでできること
FreeStyleリブレ・アボット糖尿病関連製品サイトからデータ管理ソフトウェアをダウンロードしましょう。Windows、Macに対応しています。①ソフトをインストールし、②リーダーをUSB接続しデータを取り込みます。③どのレポートを作成するかチェックしてレポートの印刷または表示を選択します。PDFファイルで保存することも出来ます。リーダー、スマホ単独よりも細かいデータを見ることが出来ます。
医療機関でのデータ利用方法
主治医にはリーダーを見せる、スマホアプリを見せる、PCソフトのデータを見せるという選択肢があります。PCソフト:リブレViewを導入している医療機関ではリーダーのデータを受診時に読み込んだり、スマホで医療機関連携をあらかじめ設定しておけば、医療機関のリブレViewから直接データを見ることも出来ます。みなさんが測定してくれたデータをみて低血糖がないか、インスリンを増やすまたは減らすとしたらどの時間帯かをいっしょに考えることが出来ます。患者さんもグルコース値の詳しい経過を見ることができるので、治療のモチベーションが上がると思います。
2週間経ちお別れの時間です
2週間経ちました。リーダー、スマホでも新しいセンサーを使用して下さいと言われます。いよいよ剥がすときがきました。2週間装着していましたが、日常生活で違和感はなく、かゆみなどもありませんでした。剥がす時は端の方からめくってはがしますが、意外とのりが強力で苦労します。真ん中の傷は長さ5m程度のセンサーが埋め込まれていた部分です。のりが強いので皮膚の弱い方は難しいかもしれません。連続で使用する場合は反対の腕に装着しましょう。
まとめ
FreeStyleリブレを試してみました。指先穿刺に比べ、痛みを伴わずに気軽に測定でき、経過も見れるので治療にとても役に立つアイテムだと思います。低血糖が多い方、血糖値の変動が大きい方にはもちろん、自己管理を厳しくしたい方にも有効と思いました。一見インスリン量も安定し、A1cが落ち着いている方も一度装着してみると新たな発見があるかもしれません。興味のある方は主治医に相談してみては?