高齢者コロナウイルスワクチン接種1週間を終えて

疾患

北海道は緊急事態宣言真っ只中で、コロナウイルス感染者も高止まりの状態が続いています。5月24日から高齢者に対するワクチン接種が始まりました。1週間の状況、気付いたことをつぶやきます。

当院のワクチン接種について

当院は水曜日と土曜日は午前診療、日曜日は休診です。医師は2人で2診体制です。まず、1日何人接種するか、何人摂取できるかを考えました。かかりつけ患者様はなるべく当院で接種してあげたいと思いつつ、通常の外来診療もこなさなければならないので、外来患者の多い午前中に6件、外来患者の比較的少ない午後に24件と設定しました。土曜日は頑張って外来と並行して24件接種することにしました。1週間で150件ですが、3週間後に2回目接種があるので、最初の3週間で1回目接種枠、その後3週間は2回目接種枠、新たな予約は7週後からとなります。かかりつけ患者様だけでもかなりの日数になりそうなので、かかりつけ以外の方の接種は見送りました

予約について

当自治体でのコールセンターやホームページの予約は5月13日から75歳以上の高齢者、6月8日から65歳以上の高齢者となっています。しかし、当院はかかりつけ患者様に限定しているので、コールセンターやホームページからの予約は出来ません。予約を5月13日からスタートすると大混乱になると判断し、ゴールデンウィーク明けの5月6日から再診患者様から予約を取りました。ゴールデンウィーク明けに新聞でもかかりつけ医の予約は5月13日からと記載されたので、毎日問い合わせの電話が鳴り止まない状態でした。5月13日は電話、直接来院する患者様で混乱しましたが、混乱も5月15日まででそれ以降はやや落ち着きました。1回目接種の予約と同時に2回目接種の予約を取り、自作の接種案内用紙に日付を記入して渡しました。最初の3週間の枠(6週間分)はあっという間に埋まってしまいました。6月8日から65歳以上の予約が始まるので、また数日は混乱すると思います。

接種開始前1週間

当院スタッフで受付(事務)→予診(医師)→接種(看護師)→受付(事務)の流れがスムーズに行くように何度かシミュレーションしてみました。狭い院内で、定期の患者様がいる中での15分〜30分の経過観察はなかなか難しいです。当院では点滴待ちする処置室が比較的広いのと、コロナ禍で点滴も最低限にしているので、このスペースで経過を見ることとしました。予約患者様は全員当院IDがあるので朝から受付入力を終わらせておくようにし、予診での注意点(重症アレルギーの既往→30分待機、抗凝固薬内服→2分圧迫、βブロッカー内服→アナフィラキシー時グルカゴン、要注意疾患あり等)を記載したカードを作っておき、該当する場合は丸をつけて予診票とともに看護師にわたすようにしました。ワクチンの準備(室温に戻す、希釈する、0.3mlに取り分ける)をスケジュール化したり、経過観察中に患者説明・次回の確認等を済ませ、経過観察後はそのまま帰宅してもらうようにしました。

5/24コロナワクチン接種開始

5/24月曜日からスタートとなりました。午前中は6件、午後に24件の予定です。通常の外来も平行してうまくできるか心配しましたが、患者様も時間通りに来院してくれて、来院受付、予診、接種、最終受付もほぼ時間通りにに進みました具合の悪くなる患者様もいませんでした。初日ということで、細かい問題点はありましたが、大きなトラブルなく終了して安心しました。

1週間

火曜日以降、天気の悪い日もありましたが、患者様もほぼ時間通りに来院してくれました。事前のキャンセルはありましたが、当日キャンセルはありませんでした当日キャンセルの場合はキャンセル待ちの患者さんを用意しているので、こちらで対応する予定です。予診はかかりつけ患者様なので処方もわかるので短時間で対応できます。接種自体も時間はかかりません。しかし、患者様を呼んで診察室(予診)に入るまでの時間、患者様を呼んで処置室(接種)に入るまでの時間、荷物を置いて座り腕をまくるまでの時間等、思っているより隙間の時間が多いのですが、これはなかなか削れません。院内の構造上、動線を一方通行にすることは難しく、どうしても無駄ができてしまいます。診察室で予診+接種をすることも考えましたが、余計にスタッフが必要になること、ワクチン1人に対する診察室滞在時間が増えると通常診察にも影響がでるので、診察室では予診のみにせざるをえませんでした。スタッフは大忙しでしたが、特にトラブルなく終了してほっとしています。

来週に向けて

ある程度数をこなすと慣れてくるとは思いますが、ワクチンを生理食塩水1.8mlで希釈し、0.3mlずつ小さい注射器に取り分けるのも地味に時間がかかります。また、予診票や接種券にシールを貼ったり、日付を書いたりするのも地味に時間がかかります。処置室では患者様の移動に時間がかかったり、定期通院患者様の採血、心電図、胸部X線もあり大変です。しかし、通常外来+ワクチン接種では事務が一番大変なことがわかりましたので、予診の際に医師がシールを貼り、日付を記入し、注意点を説明、次回の予診票・接種券・1回目予診票の控えを患者様にわたすこととしました。これで、受付→予診→接種→経過観察→帰宅という流れになりました。

まとめ

高齢者コロナワクチン接種が始まりました。当院でも工夫しながら接種を希望するかかりつけ患者様全員が早期に接種できるように頑張っていきたいです。電話、窓口に殺到すると、通常診療に影響が出ますので、予約は再診時にお願いしますね。また、予診票を書いてくること、腕を出しやすい服装で来ること、接種券はシールを剥がしたりせずそのまま持ってくることをお願いいたします。

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