前回のブログの続きです。現在わかっている副反応についてと、私の1回目接種の2日後・3日後の経過をつぶやきます。
日本人の投与状況と副反応報告
令和3年4月29日現在わかっている範囲でお話します。首相官邸ホームページによると4月27日までに医療従事者等3,109,740回、高齢者等115,724回の接種が終了しているようです。
厚生労働省のホームページによると4月23日の報告では4月18日までにアナフィラキシーと報告された事例は492件でした。1回目接種時426件、2回目接種時65件と1回目に多いです(1回目にアナフィラキシーを発症した方は2回目接種しないので)。その中でブライトン分類レベル1~3の報告頻度は88件/1,930,111回接種(100万回に46件)と海外報告よりやや多いようです。ブライトン分類レベル1~3の発症は20歳~59歳と比較的若い方に集中しています(85件/88件)。さらに88件のうち、男性9件・女性79件と圧倒的に女性が多いようです。しかし、アレルギーの既往あり31件に対し、既往なし54件とアレルギーの既往はあてにならないので注意が必要です。4月21日までの接種後死亡も10件報告されており、因果関係は評価できないようですが、出血がやや多いように思います。アンダーラインが多くなってしまいましたが、テストにはでないので安心してください。
ワクチン接種初期の約2万人の接種者のコホート調査によると、接種部の痛み・発赤等の局所的なものは1回目、2回目ともにあまり変わりないようですが、発熱(37.5℃以上)、倦怠感、頭痛などの全身の症状は1回目より2回目に頻度が高いようです。また、副作用は高齢者より非高齢者に多いようです。以下に新型コロナワクチンの投与開始初期の重点調査(コホート調査):健康観察日誌集計の中間報告4(2021/4/23)の結果を示します。
接種部局所 | 発赤 | 腫脹 | 硬結 | 疼痛 | 熱感 | かゆみ |
1回目(%) | 14.0 | 12.6 | 10.7 | 92.3 | 12.9 | 8.0 |
2回目(%) | 16.3 | 14.2 | 10.3 | 90.8 | 18.9 | 12.0 |
全身症状 | 発熱(37.5℃以上) | 頭痛 | 倦怠感 | 鼻水 |
1回目(%) | 3.3 | 21.2 | 23.2 | 10.3 |
2回目(%) | 38.0 | 53.6 | 69.4 | 14.5 |
投与2日後
接種当日中は接種部の痛み程度で特に問題なく経過しました(接種後も外来診療しました)。2日目朝の体温は36.7℃と発熱なく、接種部の痛みはやや悪化しており、力を入れたり、腕を90度以上上げたりすると痛みがあります。中の方でズンと重たい感じです。表面も軽度腫脹・硬結がありますが、熱感・かゆみはありません。ちなみに私は皮下注射のインフルエンザワクチンでも毎回接種部の発赤・腫脹・熱感あり、しだいに紫色になり、かゆくなって治るのに1週間くらいかかります。なので、いまのところ大差ない印象です。倦怠感という倦怠感はなく、朝起きるのが辛いですがこれはいつものことです。今日も診療です。午前診療日なのが幸いです。夕方の体温は36.1℃、接種部の局所症状はかわりなく、倦怠感も特にありません。おやすみなさい。
投与3日後
今日は祝日でお休みです。朝の体温は36.3℃、接種部局所の痛み・腫脹・硬結は改善傾向です。倦怠感も特にありません。家でのんびりします。幸い3日間は大きな副反応なく経過しました。
接種後に気になることがあれば、、、
接種後に気になることがあれば時間内であれば接種したかかりつけ医に相談。時間外であれば自治体で決められたコールセンターなどに相談してください。詳細はクーポン券に同封された書類に記載があると思います。まずは軽度の局所、全身症状は2,3日で改善することが多いことは頭に入れておきましょう。現実的な対応としては解熱鎮痛薬を処方して経過をみる程度になると思います。アレルギー症状は接種後5-30分に多いので、帰宅後に起こる可能性もあります。全身性の発疹・かゆみ、呼吸が苦しい、血圧が低い・めまいがする、腹痛・嘔吐・下痢などはアナフィラキシーを疑うので急いで相談してくださいね。
まとめ
やっとクリニックの医療従事者に対するワクチン接種が始まりました。1回目の接種後の経過をお伝えしました。今後高齢者向けにも始まると思いますが、知っておくことが安心感に繋がります。クリニックでもみなさんの安心につながるように掲示などで情報提供したいと思います。
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