ポリファーマシーという言葉を聞いたことはありますか?ポリ=たくさん、ファーマシー=薬ということです。皆さんは1日何回、計何錠の薬を服用してますか?何の薬かわかって服用してますか?今回はポリファーマシーの問題点について考えましょう。
高齢になるほどたくさんの薬を内服している
高齢になると、複数の病気を持つ人が増えてきます。よって複数の病院や複数の診療科を受診することになり、薬も多なってしまいます。同じ病院であれば処方内容がわかりやすいですが、違う病院となると処方内容がわからないこともあります。結果的に薬が多い状態になってしまいます。平成29年の厚労省の調査では、75歳以上の24.5%が1ヶ月に1つの薬局から7個以上の薬をもらっているという結果でした。
薬をいっぱい飲んでいるけど大丈夫?
問題点の1つ目は、違う病院で処方を受けると、同様な作用の薬が重なって処方されてもわからないということです(重複)。2つ目は相性の悪い薬が処方される場合があることです(相互作用)。いずれも受診時にお薬手帳を持参して服用している薬を確認してもらうことで防ぐことができるかもしれません。3つ目は高齢者は薬の代謝や排泄の機能が落ちており効きすぎることがあります(過量)。若い頃と同じ用量ではなく徐々に減らしていく必要のある薬剤もあるかもしれません。高齢者や腎臓、肝臓が悪い方は、薬の代謝が落ちて副作用が出やすいので注意が必要です。
アドヒアランスを改善するためには?
患者様が医師から処方を受けた薬をどれくらい正しく使用するかの程度をアドヒアランスといいます。処方された薬が多い程アドヒアランスが低下することがわかっています。想像できますよね?では、アドヒアランスを改善する方法としては次のような方法があります。
- 服薬数を少なくする:必要薬剤の見直し、合剤の使用
- 用法の簡便化:1日3回または2回の薬剤から1回の薬剤へ切り替え
- 剤形の工夫:口腔内崩壊錠(OD錠)や貼付剤の使用
- 一包化:飲み忘れの防止に有効
- 服薬カレンダー、薬ケース
- 薬剤師や看護師による定期的なチェック
- アプリで服薬管理
最近は生活習慣病の薬剤を中心に合剤がたくさん出ています。1剤に2-3種類の薬剤が配合されており内服数を減らすことができます。高齢者で飲み込みの機能が落ちている方は口の中で溶けるタイプのOD錠や貼付剤に変更するのも有効です。貼付剤では内服よりゆっくり持続的に効くという効果もあります。処方が多くて、管理が難しい場合は一包化も有効です。困ったときは家族や薬剤師・看護師にも頼ってください。たくさんありすぎて内服できなかったり、忘れてしまったりと様々な原因があると思いますので、受診予定日に薬が余ってしまうようであれば主治医に相談してくださいね。先生に悪いからとか、言い辛いとか、怒られそうとか考えずに、なぜ余ったのか一緒に考えて対策を取りましょう!国の医療費も減りますし、いいことしかありませんよ。
アプリで管理するのもおすすめです
最近はアプリで薬を管理したり、処方依頼をすることも可能になっています。そのようなアプリでは薬の時間にアラームを鳴らしたりする機能もありますのでうまく利用しましょう。家族の処方もアプリで管理するといつでもどこでも見ることができて便利ですね。
EPARKお薬手帳、eお薬手帳、おくすり手帳Link、日本調剤のお薬手帳プラス、その他薬局のアプリもあるので、かかりつけの薬局が対応しているものを探して下さい。アプリへの取り込みはQRコードで取り込んだりと簡単に出来るようになっています。
まとめ
今回はポリファーマシーについて書きました。用法通りに内服できなかったり、なぜか余ってしまう場合には遠慮なく相談してください。自分がどんな病気でどんな薬を内服しているか把握するのも大事ですよ。自分自身も積極的に治療に参加しましょう。
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