コロナワクチン1回目は2日目の腕の痛み、接種部の腫脹のみで大きな副反応なく終了しました。21日経ち2回目の接種となりました。東京、大阪、京都、兵庫、愛知、福岡に続き、5/16日から私の住む北海道、広島、岡山に緊急事態宣言が出されました。感染者の増加を防ぐためには外出を控える守りと、ワクチン接種をすすめる攻めが必要と考えます。当院でも5/24からかかりつけ患者様へのワクチン接種が始まります。はやく高齢者のワクチン接種が終わればよいのですが、まだまだ困難が続きそうです。
ワクチンの有効性についての最近の報告
まずはスコットランドのほぼ全人口をカバーするCOVID-19データベースを用いた前向きコホート研究です(THE LANCET, VOLUME 397, ISSUE 10285, P1646-1657, MAY 01, 2021)。2020年12月8日から2021年2月22日に約133万人が1回目のワクチンを受けました(ワクチンの種類はファイザー製約71万人、アストラゼネカ製約62万人)。1回目のワクチン接種後28~34日におけるCOVID-19関連入院率は、ファイザー製ワクチンで91%、アストラゼネカ製で88%減少しました。
次にイスラエルの報告です(THE LANCET, VOLUME 397, ISSUE 10287, P1819-1829, MAY 15, 2021)。イスラエル保険省のサーベイランスデータから約653万人のデータを抽出し、ファイザー製コロナワクチン接種後7日経過した群と、ワクチン非接種群を比較しています。2021年1月24日~4月3日の期間中、約653万人中約23万人がSARS-COV-2に感染しました。ワクチン接種7日経過した群では、95.3%の感染予防効果が認められ、COVID-19関連入院は97.2%、重症化による入院は97.5%、死亡では96.7%の抑制効果を認めました。
次に約5万人の医療従事者を対象としたアメリカからの報告です(Clin Infect Dis. 2021 Apr 26)。ワクチンはいずれもmRNAワクチンですが、2回接種45162人のうちファイザー/ビオンテック製が41741人、モデルナ製が3421人。1回接種4058人では各2757人、1301人でした。2回接種群約4万4千人、1回接種群約3千人、未接種群2万4千人を比較しています。追跡期間中央値89日で、ファイザー/ビオンテック製が2回接種で93.8%、1回接種で78.1%、モデルナ製がそれぞれ98.6、91.2%の有効性を認めました。
これらの報告からもワクチンの重要性がわかりますし、米食品医薬品局(FDA)は緊急使用許可の範囲を16歳以上から12歳以上に拡大したと発表、米疾病対策センター(CDC)はワクチン接種完了者は、屋内外を問わず、マスクを着用しなくてもよいとする指針を発表しています(公共交通機関、病院など一部制限あり)。日本でもはやくワクチン接種をすすめ、海外に追いつきたいですね。
日本の現状
前回と同様首相官邸ホームページによると令和3年5月17日現在で医療従事者等5,480,723回、高齢者等1,157,686回の接種が終了しているようです。
副反応については令和3年2月17日から令和5月2日までにアナフィラキシーとして報告された件数は644件/3,823,386回接種で100万回接種あたり173件とのことでした。また、アナフィラキシーのブライトン分類1~3の報告は107件/3,823,386回接種で、100万回接種あたり28件(参考値)とのことでした。これはアメリカやイギリスに比較するとやや多いようです。男女別では男性8件に対し女性99件と多くなっています。ちなみに65歳以上は0件とのことでした。また、アレルギーの既往あり26件に対しアレルギー既往なしが81件ですので、事前のアレルギーありなしはあまり影響が無いようです。
令和3年2月17日から令和3年5月2日までに計28例の死亡例が報告されています。出血性脳卒中7件、心肺停止6件、心不全4件などとやはり出血合併症が多いのが気になります。また、5月3日から5月7日までに11件の死亡例が報告されています。5月2日までのデータでは100万人接種あたり10件、100万回接種あたり7.3件であり、アメリカ、イギリスと比較するとやや少ないようです。
よいニュースとしては武田薬品が5月10日モデルナ製のmRNAワクチンの安全性および免疫原性を評価する国内第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したとのことです。20歳以上の日本人200例を対象に同ワクチン0.5mLを2回接種(28日間隔)した被験者前例において、2回目接種後28日経過時点で、結合抗体と中和抗体の上昇が確認されたとのことです。ワクチンの種類が増えれば早期に接種出来る人数が増えるので喜ばしいですが、各ワクチンで接種量や接種間隔が違うので、医療現場では混乱しそうです。
また、厚生労働省が5月20日にモデルナ製、アストラゼネカ製のワクチンについて、承認の可否を審議する専門部会を開催すると発表しています。モデルナ製はファイザー製同様mRNAワクチンですが、零下20℃で保存可能であり、東京や大阪の高齢者向け大規模接種センターでの使用が想定されています。アストラゼネカ製はウイルスベクターワクチンで冷蔵保存ができるため、より使いやすくなります。予約なしでの接種も可能となるかもしれませんね。
ワクチン(ファイザー製コミナティ)2回目接種しました
1回目接種の2日目に左腕を90度以上上げると痛みがあったため、利き手で同様な症状はつらいと思い、今回も左腕に接種しました。接種時の痛みは皮膚を貫くときにチクッとする程度で、それほど痛くはありません。16時にワクチン接種しましたが、そのまま問題なく19時まで診療しました。帰宅後の検温では36.4℃腕の痛み、腫脹はありません。寝る前の検温は36.1℃(あれっ、低め?何かの前ぶれ?)で腕が少し痛くなってきました。1回目も2日目に腕の痛み、腫脹が気になりましたので、明日がちょっと怖いです。今日は早く寝ることとします。おやすみなさい。
まとめ
2回目のワクチン接種を受けました。ワクチンの有効性は明らかであり、早く希望する人に接種できるように努力したいと思います。明日も、明後日、明々後日も診療です。次回のブログ更新は接種後4日目の予定です。
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