マイナンバーカードを健康保険証として利用しよう!

北海道のとある内科クリニックの副院長です。今回はマイナンバーカードのお話です。令和3年3月よりオンライン資格確認が開始となり、マイナンバーカードを健康保険証として利用可能となりました。国の方針では義務化していきたいようですが、現在も一部の医療機関、薬局で導入されているのみです。普及にはまだ時間がかかりそうです。ちなみに私のクリニックでは導入予定ですが、導入時期はまだ未定です(機械がいつ入ってくるやら・・・)。

マイナンバーカードを健康保険証として利用するとどんなことができる?

  1. 本人が同意すると、初めての医療機関等でも、薬剤情報や特定健診情報が医師等と共有できます。
  2. 限度額適用認定証がなくても高額療養費制度における限度額を超える支払が免除されます。
  3. マイナポータルで自身の特定健診情報や薬剤情報・医療費通知情報が閲覧できます。
  4. マイナポータルを通じた医療費通知情報の自動入力で、確定申告の医療費控除が簡単にできます。
  5. 就職、転職、引越をしても健康保険証として使えます。(医療保険者が変わる場合は、加入の届出が引き続き必要です。)

1.については医療機関がオンライン資格確認を導入している必要があります。薬剤情報や特定健診情報が共有できるので、初めての医療機関にも安心して受診することができます。薬剤情報から薬剤の重複が防げたり、特定健診のデータ(特に腎機能や肝機能)から薬剤の種類や量の調節ができ、副作用も減らせるかもしれません。ただし、医療機関ではここを閲覧するという業務が増えてしまうので診察時間が長くなる可能性もあります。またオンライン資格確認を利用すると自己負担が増えます。今までの保険証でも一部の機能は利用可能です。

2.4.については該当する方はメリットになると思います。

3.についてはとても良いです。この5つの中でここが一番役立ちます。自分に処方された薬剤、通院歴、特定健診結果、保険情報等をスマホでみることができます。見る際には毎回マイナンバーカードが必要ですが、セキュリティを考えるとしかたがないですね。ここでは述べませんが、税金の情報や年金の情報などマイナポータルで閲覧できることが多数あるので一度確認してみるとメリットを実感できるかもしれません。

5.については転職、引越が多い方にはメリットになりそうです。

マイナンバーカードを利用した受診について

  1. 本人確認:顔認証付きカードリーダーで患者さん自身が本人確認をおこないます。
  2. 薬剤情報・特定健診の閲覧に係る同意:顔認証付きカードリーダーで患者さん自身で医師等の有資格者が閲覧することに対して同意するか、否か選択します。
  3. 保険資格の確認:その場で有効な保険資格が示されるとともに、その情報を自動で取得できるようになります。
  4. オンライン資格確認は保険証でも行うことができます。

本人確認についてはマイナンバーカードを顔認証付きカードリーダーに置き、顔認証または暗証番号で確認をおこないます。続いて画面に薬剤情報・特定健診の閲覧に同意するかしないかが表示されるので選択します。同意すると、薬剤情報は過去3年分、特定健診情報は過去5年分の閲覧が可能となります。患者さんにとっては今までは保険証を受付に出すだけだったのに、顔認証または暗証番号など入力する必要が出てきます。顔認証は完璧なのか?マスクしてても大丈夫?年数たっても大丈夫?など心配はあります。また、暗証番号といわれてもわからない患者さんもいそうですね。トラブルの予感しかしません。

確認が済むと、保険資格が有効かどうかがわかり、被保険者情報が自動入力されます。受付での入力ミスが無くなり、時短にもなります。上でも述べましたが、今までの保険証でも一部の機能は利用可能です。

マイナンバーカードを作ろう!

ところで皆さんマイナンバーカードは取得してますか?取得していない方はマイナンバーカードを作ることから始めましょう。マイナンバーカードは、顔写真付きの本人確認書類として利用できる他、住民票などの証明書をコンビニで取得することができます。役所に行って申請書に記入して、待たされるということがなくなります。また、前述のマイナポータルから色々な情報を取得することができます。現在実施中のマイナポイント第2弾の予約・申込みは、令和4年9月末までにマイナンバーカードの申請をした方が対象です。

マイナンバーカードの申請方法はパソコンスマートフォン、②郵送(通知カード下の申請書、顔写真必要)、③役所や臨時申請所があります。

自分で申請するのが難しいかたは役所や臨時申請所で説明を聞きながら手続きするとよいですね。私はスマートフォンで申請したような気がします(忘れました、認知症・・・)。出来上がるまでに1ヶ月以上かかる可能性がありますが、マイナポイント第2弾に間に合うためには申請さえ終わればOKです。

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしよう

すでにマイナンバーカードを取得されている方も、そのままでは健康保険証として利用することはできません。マイナポータルから利用申請が必要となります。マイナンバーカードは作ったけど普段使ってないな・・・という方は、ぜひマイナポータルアプリをダウンロードしてみましょう。マイナポータルアプリから閲覧できることが多数ありますので、いままで気が付かなかったメリットを実感できるかもしれません。

トップ画面に「マイナンバーカードが健康保険証としてりようできます」というバナーがありますので、申し込むを選択しましょう。利用規約に同意して、マイナンバーカードを読み取ると簡単に申請できます。ついでに「給付金等の受取口座を予め登録しておくことができます」というバナーからは口座登録が可能です。マイナポイントの受け取りについては他ホームページを参照してください。

まとめ

令和3年3月よりオンライン資格確認が開始となり、マイナンバーカードを健康保険証として利用可能となりました。まだまだすべての医療機関に導入されているわけではありませんが、今後主流となることが予想されますので、今のうちにしっかり準備しておきましょう。マイナポータルも利用価値ありですので、インストールしておきましょう。今後は電子処方箋が導入されたりと患者さんもITを利用していく場面が増えていくと思いますので、すこしずつ勉強していきましょう。マイナポータルトップページの下の方にある「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」もぜひご利用ください。

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